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    *2014/02/03(Mon)

    【三島由紀夫、1963年のノーベル文学賞で初候補、最終選考にまで残っていた!】

    言わんこっちゃない。。。
    http://www.nobelprize.org/nomination/literature/1963.html

    とてつもない事実が明らかになってしまった。

    ノーベル文学賞の選考過程は50年間公表されない決まりになっている。
    三島由紀夫は1960年代中期頃からノーベル文学賞最終候補と報道され続けたが、受賞する事なく、結局は1968年に川端康成が先に受賞してしまった。

    これを受けて、「三島は始めから候補にはなっていなかった」「海外ではたいして評価されていなかった」などという根拠のない憶測が今までに山のようにされてきていたが、50年経った今、真実が明かされた。実際には、サミュエル・ベケットも含む、最終選考6人に選ばれる程の評価をスウェーデン・アカデミーから受けていたのだ。

    注目すべきポイントの一つとして、
    この年、三島以外の日本人作家3名も候補に選ばれているのだが、

     Yukio Mishima, one of the new candidates this year,
     was one of four Japanese nominees...

    「four Japanese nominees」とは具体的に谷崎、川端、西脇、三島の4人である。

    つまり、三島は初候補の時点で既に川端より上にランクされていた......

    ちなみに、この年の最終選考から外された理由、

     it was decided that his authorship was
     not yet to be given preference
     in comparison with the other four from Japan

    これは、三島が他の3人の日本人候補を押しのけて
    最終選考にまで絞り込まれた、という事実に対して
    明らかな矛盾である。

    63年には「金閣寺」も「鏡子の家」も発表されていた。

    そして、5年後の1968年の段階で川端に逆転される。
    いったい何が起きたのか?
    これから徐々に明らかになっていくだろうが、
    まだまだ謎は深い。


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    さて、ここからはある意味蛇足である。

    三島が受賞まであと一歩だった事を裏付け得る、
    ある「やりきれない噂話」を紹介しよう。
    (※あくまでうわさ話であることは強調しておく)

    数ある川端名義の作品の中でも特に評価が高く、ノーベル賞の選考対象作品ともされた2つの作品、「山の音」と「眠れる美女」に着目してみる。

    「山の音」は2002年にはノルウェー・ブック・クラブ発表の「史上最高の文学100」に日本の作品として源氏物語と共に選出されている。

    また、「眠れる美女」は海外での評価も高く、映画化も数回、ガルシア=マルケスが「なぜこの作品を自分が書かなかったんだ」と悔しがった程の作品だ。

    実は、この2つの作品は三島の代筆である、という説がある。

    戦後の川端は、薬の常用によりほとんど執筆ができない状態で、弟子や後輩の作家に代筆をさせていた、というのは出版界では有名な話で、極たまに自身で書く事もあったようだが、原稿を取りにきた編集者が驚く程の汚くミミズの這うような字と支離滅裂な内容で、とても出版できるような代物でなかった、とのこと。

    そういった偏見を持った上で、以下に紹介する動画を見ると、なんとも言えない緊迫感を感じるはずだ。川端のノーベル賞受賞が決定した直後に放送された番組で、彼の受賞を弟子の三島と伊藤整の二人が讃える、という内容であるが、、、

     川端康成氏を囲んで 三島由紀夫 伊藤整 (1/3)
     http://www.youtube.com/watch?v=mvn8-uD-ItQ
     
     川端康成氏を囲んで 三島由紀夫 伊藤整 (2/3)
     http://www.youtube.com/watch?v=N7-vRzlX14c
     
     川端康成氏を囲んで 三島由紀夫 伊藤整 (3/3)
     http://www.youtube.com/watch?v=HUzoHnUUWsI

    伊藤は、恐らく「伊豆の踊り子」に対してと思われる、構成の支離滅裂さを指摘、それに被せるように三島が自分が代筆した(と思われる)「眠れる美女」と「山の音」を絶賛。川端の恐怖に引きつったかのような表情、さらに、「眠れる美女は特に、構成が終わりまできちっといってますね」などと、伊藤の切り込みが凄い。ひたすら謙遜にまわるしかない川端の所在なさ。

    すごい映像が残っていたものだ。

    いずれにせよ、真実はまだまだ闇の中である。