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novelists

Honoré de Balzac / オノヘ・ドゥ・バルザック

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1799.05.20 - 1850.08.18 (aged 51)

Osamu's Summary

  • ・天才。
    作家のサマセット・モームは、「世界の十大小説」のなかでバルザックのことを「確実に天才とよぶにふさわしい人物」と記述している。
  • ・1935年、代表作「ゴリオ爺さん」の執筆中に「登場人物再登場」の手法を発明。
    ある作品の脇役が、別の作品では主人公となって登場、というように、以降の彼の作品全てが一つの世界で繋がり、 それらは最終的に全部で90作を越える壮大なシリーズとなり、このシリーズは後に「人間喜劇」と名付けられた。
    当初、人間喜劇は145作を予定していたが、バルザックの死によって完結されることなく中断。
    しかし、以後、「登場人物再登場」の手法はゾラ、プルースト、フォークナー、大江健三郎、などの文学者に受け継がれていく。
  • ・「バルザック」の「ザ」にアクセントをつけて発音している日本人が多いが、正しくは「バ」にアクセントをつけるので、勝手に変な呼び方をしないように。

Profile

Nationality フランス共和国
Born トゥール
Notable Works 1829年『ふくろう党』
1831年『あら皮』
1831年『知られざる傑作』
1832年『ツールの司祭』
1833年『ウジェニ・グォンデ』
1834年『海辺の悲劇』
1834年『絶対の探求』
1835年『シャベフ大佐』
1835年『ゴリオ爺さん』
1836年『谷間のゆり』
1837-43年『幻滅』
1838-46年『娼婦の栄光と悲惨』
1841年『暗黒事件』
1841年『村の司祭』
1846年『ラ・クジヌ・ベットゥ』
1847年『ル・クザン・ポンス』

※太字の三部作が特に有名
Awards なし

Quotation

Enfin, reprit-elle, je comptais sur vous ce soir pour ce dernier service. Je voudrais vous donner un gage de mon amitié. je penserai souvent à vous, qui m’avez paru bon et noble, jeune et candide au milieu de ce monde où ces qualités sont si rares. Je souhaite que vous songiez quelquefois à moi. Tenez, dit-elle en jetant les yeux autour d’elle, voici le coffret où je mettais mes gants. Toutes les fois que j’en ai pris avant d’aller au bal ou au spectacle, je me sentais belle, parce que j’étais heureuse, et je n’y touchais que pour y laisser quelque pensée gracieuse : il y a beaucoup de moi là-dedans, il y a toute une madame de Beauséant qui n’est plus. Acceptez-le.

En rentrant dans le bal, Eugène en fit le tour avec madame de Beauséant, dernière et délicate attention de cette gracieuse femme. Bientôt il aperçut les deux sœurs, madame de Restaud et madame de Nucingen. La comtesse était magnifique avec tous ses diamants étalés, qui, pour elle, étaient brûlants sans doute, elle les portait pour la dernière fois. Quelque puissants que fussent son orgueil et son amour, elle ne soutenait pas bien les regards de son mari. Ce spectacle n’était pas de nature à rendre les pensées de Rastignac moins tristes. Il revit alors, sous les diamants des deux sœurs, le grabat sur lequel gisait le père Goriot.
最終的には、彼女は言葉をついだ、今夜このお願いのためにあなたを当てにしていたの。 何か私の友情の証をあげたいわ。 あなたのことは何度も思い出すことでしょう、善良で高貴で若くて、美点が珍しい社交界の中にあっても純粋で。 私のことも時々は思い出してくださいね。 そうだわ、そう言って辺りを見渡しながら、これは私が手袋をいれていた箱なの。 舞踏会や観劇に行く前に、それを取り出すときはいつも、自分で自分が綺麗だと感じたものよ。 なぜって私は幸せで、何かしら優雅な思いをそこに残すため以外には、これに触れないようにしていた。 だから、この中にはたくさんの私が入っています。 ボセオン夫人という1人の全てが詰まっています。
彼女はもう存在しません。
受け取ってくださいね。

舞踏会場に戻りつつ、ウジェヌはボセオン夫人と場内をひと周りした。 それは、この優雅な女性の最後の繊細な心配りだった。 すぐに彼は二人の姉妹の姿が目に入った。ヘスト夫人とヌュシンゲン夫人だ。 伯爵夫人は全身に鏤められたダイヤモンドで壮麗であった。 それらダイヤモンドは彼女にとって焼けるように熱かったに違いなく、最後のつもりでそれらを身につけていた。 しかし、彼女の自尊心と愛着がいかに強かったとはいえ、夫からの視線には耐えられなかったようだ。 こうした光景は、ラスティニャックの沈んだ気持ちを和らげるものではなかった。 そのとき彼は、二人の姉妹の全身のダイヤモンドの下から、ゴリオ爺さんの横たわる粗末なベットを再び見る思いがした。