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    *2014/09/10(Wed)

    【落語「よかちょろ」を巡って】

    う、うんめえ〜、、、
    やっぱり志の輔師匠はすげえなあ。

    https://www.youtube.com/watch?v=0ycr6PFlrKs

    枕なしでいきなりネタに入る所にまずは「おおっ!」と驚く。この「山崎屋」の前半部分「よかちょろ」は昭和の大名人、桂文楽師匠の十八番。そんな大ネタに取り組むことへの気合いを感じずにはいられない。

    古典落語の現代アレンジは、今や当たり前のように行われているが、「そこを削ってしまうと、もはや古典が古典でなくなる」という変更の許されない箇所が多々存在する。
    当然、どの部分を削り、どの部分を残すのか、という編集の仕方にその落語家のセンスが問われるのは言うまでもない。

    このネタでは、よかちょろを歌った若旦那の「これが45円♪」から直後の旦那の
    「っっっばか!」までの被せるような「間」。

    特に談志師匠はここを非常に大切にしていて、自身が演じる際も、過去の音源などで確認すると、この間と台詞は変えないようにしていることがわかるのだが、志の輔師匠のこの余裕の「間」。

    たっぷりと観客の笑いを待ってから「、、、こぉんの馬鹿野郎!!!」

    大胆にアレンジしてしまっているが、「よかちょろ」の世界観は少しも失われていない。むしろこの余裕を感じさせる程のゆったりと心地いいテンポはこのネタの雰囲気にぴったり。

    古典の味もきちんと残しつつ、あくまで現代の感覚で演じる。上手く説明出来ないが、いわゆる笑点芸人的な「寒さ」が全くない。ひょっとしたら、「落語」という型はきっかけに過ぎず、より広い意味での「表現」という大きな括りの中で勝負しているのでは。そんな気すらしてくる。

    ■よかちょろの件(くだり)から比較

     志の輔
     https://www.youtube.com/watch?v=0ycr6PFlrKs#t=9m58s
     
     談志
     https://www.youtube.com/watch?v=kWpsIlKbZGg#t=29m10s
     
     文楽
     https://www.youtube.com/watch?v=aXniaKFOBJk#t=14m46s